去年の暮れに、家にライフプランナーを名乗る人がいきなり訪問してきたんですよね。その人が「今抱えている不安や悩みはありますか？」と聞いてきたんです。
これからのことも考えていかなければならないタイミングかなと思い、ちょうどお金に関することで気になることがあったため、いろいろとお話を伺いました。
その際に雑談ベースで「そろそろ結婚のことを考えた方がいいかなとは思うんですが、恋愛に関して奥手だし･･･。このまま独身でもいいかなって思っているんです」と話したところ、ライフプランナーの方から「趣味を楽しんでいる人はみんなそう言うんです。でも20年30年経ったときに『結婚しておけばよかった』と後悔する人が多いんですよ」と言われました。その時に自分の中で新しい気づきがあったと思います。
今は独身でもいいと考えているけれど、将来孤独になるのは嫌だな、それなら1年だけでも婚活をやってみようかなと考えたのがきっかけです。

今年29歳なんですが、「20代で検索されるのって今年が最後なんだよなー」と思ったからです。
私自身ネットの世界で生きている人間なので、ネットで遊んでいる男性をたくさん見てきました。ネット上での出会いも選択肢としてありますが、「結婚する気がない」「今の生活が楽しい」「恋人関係でいたい」と考えている方も多くて･･･。自分が好きになったとしてもだらだら時間を過ごすだけになると勿体ないかなと思い、婚活をすることに決めました。

いろいろなサポートが受けられることが決め手でした。今まで女性と深い関係になったことがなく、どのように動けばいいのかなど全く分かりませんでした。相談所外で出会ったとしても、相手がそもそも結婚願望があるのかも分からない状態でデートを申し込んだり告白をしたりするのは自分の性格的に難しいなと感じていました。
相談所であれば、お相手の女性全員結婚願望があることが保証されていますし、自分のような恋愛初心者に対してもアドバイザーからアドバイスをもらえる。何かがあったらフィードバックも受けられるという環境であれば、全く経験値のない自分でも飛び込んでいけると思ったからです。

同棲していた恋人がいたんですが、私が27歳の時にお別れをしまして、次どうしようかなと悩んでいました。新しい男性と付き合ったとしても、もし失敗したらと考えるとそれまで何年費やすことになるか分からないし、結婚願望があるのかないのかも分からない人に「結婚する？」と聞きたくないですし、それなら安心をお金で買おうと思って結婚相談所を考えました。書いてある個人情報も信用できるし、アドバイザーがいるから問題が起きても守ってもらえるし、ご両親挨拶も活動中にできるから安心できるなーと思いました。

自分がVRをやっているので、できたら同じくVRをやっている人がいいなと思って探していました。
彼女のプロフィールを見た時に、『アバターいじりが楽しいです』って書いてあったので「この人確実にVRChatterだな」と思ったからです。

同じく第一の理由は「VRchatをやっているから」でした。あとは私が猫ちゃんが好きなので、動物を飼える人がよかった。（※男性は猫ちゃんを飼われています）
実はお申し込みをもらったとき、結婚相談所に入って間もない時期だったんですよね。一気に10人ぐらいお申し込みがきて、どうしようってなっていた中、「とりあえず同じ趣味で」と思って絞り、一番最初にお見合いをOKしたのが彼でした。

よかったー10人の中に埋もれなくて！

最初に会った時は写真そのもので「可愛いな」と思いました。一方で20代の方とお見合いをするのが初めてだったため「大丈夫かな」という不安もありました。
実際にお話してみると好きなことを楽しそうにお話してくれて、自分自身も肩の力を抜いて接することができました。今思うと相性が良かったのかなって。

10分前にラウンジに着いたら、中から迎えに来てくれたので「すごいマメだ」と思いました。それまで数人の方とお見合いをやってきたのですが、席を確保して下さる男性は彼だけでした。改めて考えると、そういうところも彼の良いところだなーって思いました。担当さんからは「席を取ってくれる人もいる」としか言われていなかったので…。

とら婚では「男性が席の確保をするように」とレクチャーしていますからね。

そういうことがあり既にプラスの印象から入ったんですが･･･ちょっと今でも思い出すと笑ってしまうんですけど（笑）
席に着いて私が椅子に座ろうとしたら、彼が私が座る椅子を引いてくれたんです。でも緊張からか押したり引いたり挙動不審になっていて（笑）椅子が「ガガガッ、ガガガガッ！」ってガクガクで（笑）もうね（笑）

そんなにガクガクだったかな（笑）

本当にガクガクだったから！会って初めましてしかまだ話してないのに、その挙動で大笑いしちゃったんですよね。
その後もすごい緊張していたんでしょうね、手が震えながらも私をエスコートしてあげようって気持ちが伝わってきました。緊張しているけど、でも頑張ろうって気持ちが伝わってきて、「おもしろ！」って思ったのが第一印象です。

逆に「大丈夫かこの人」みたいに不安にならなかったの？

むしろ結婚相談所なのにスマートにできるわけがないだろうって思ってた。できたらもう結婚しているでしょ（笑）それか相当お見合いの数をこなしているか。
ド緊張で「あまり慣れていないんだな」というところから始まりました。

本当に自分の好きなことを熱く語るところがいいなって思いました。お見合いの時間があっという間に過ぎたのって彼女だけだったかもしれない。時計を気にしている暇がなかったです。

これもちょっと面白くて友人に今でもネタとして話しているんですが（笑）お見合いが終わって一緒にお店を出るじゃないですか、彼が「VRchat結婚式挙げたいんだよね～」って言ってきて、私は内心「早い早い早い！！（笑）」と思っていました（笑）
そのあと「あの人は私に気があるんだなー」と思いながら帰っていました。

ぶっちゃけあった（笑）

お見合いの時から和気あいあいとされていたんですね。じゃあ仮交際が成立となった際も「まぁそうだよね」という感じでした？

お見合いが終わったら交際希望を爆速で出しました。

そうだった気がするたしかに（笑）

そうですね。私の担当の方が「交際希望きてましたよー」と連絡をくれたので、「じゃあ私もいいや！」と思ってＯＫを出しました。本当にラフな気持ちでした。

3回目のデートですね。彼女がボードゲームカフェに行きたいと言っていたので連れて行ったんです。相席を推奨しているお店だったので、先にいるお客さんに交じって一緒にプレイをしました。本当に楽しかったです。デート中に次回デートの約束を取り付けるようにしなさいと言われていたため、帰りに「次のデートどうしようか？」って聞いたところ「3日後でいいよ！」って返ってきて、「はや！」と思いました（笑）
同時にその瞬間に「脈ありだな！」とピンときました。

そう言われるとちょっと生意気って思いますね。

（笑）

私は真剣交際に進むための告白をしてくれたデートですかね。VRChatterだと恋人のことを「お砂糖」って呼ぶんですけど、告白の言葉は「お砂糖になってください！！」でした。
やっぱり一番嬉しかったですね。
結婚してしまったらお砂糖になることはないから、お砂糖になってくださいって言われるのに実は憧れていたんですよね。
「付き合ってください」とくるかなと思ってたら「お砂糖になってください」･･･お～～！！分かってんじゃ～～～ん！！って。

VRChatterの皆さんからお祝いはありましたか？

たくさんありました。Xでもお祝いのリプライをたくさんいただいて･･･。

どんなシチュエーションで告白されたのですか？

みなとみらいの夜景が見える綺麗なバーでディナーをしました。そこからお店を出て港の方まで歩いていって、ワールドポーターズの横を通り過ぎていって人がいないところで…。

隣にいたけどね。

･･･ん？

知らない男子が、隣に、真横に。

いたっけ！？

いた。

そっか！気づかなかった！それで、自分から「今日楽しかった？」って聞いたら彼女が「楽しかった」って答えてくれて。その流れで告白をしました。「あなたといるとすごく気が楽でとても楽しい。よければこれからも一緒にいてくれたら嬉しい」みたいな言葉も添えて。
手を差し出したら、彼女が手を握り返してくれたのがお返事でした。まだその時は手を繋いだことがなかったんですけど。

初めてのスキンシップがそこになるんですね。

プロポーズもすごく頑張っていましたよね！バラも108本持っていきましたもんね。

はい。彼女の誕生日のお祝いも兼ねて行いました。バラ108本の希望が彼女の冗談だったということは後で知ったのですが･･･（笑）チャペルプロポーズはサプライズにしていました。

当日は薄々気づいていたので「今日プロポーズされるんだろなー」と思いながらレストランでご飯を食べたり、誕生日プレゼントをもらったりしていました。お店の方がすごいわざとらしく「お二人のお写真をお撮りしたいんですが、男性の方は先に下の方にお越しいただきたく･･･本当はお二人でお越しいただきたいんですが･･･女性の方もしよければお一人でお待ちいただき･･･あ！トイレとか行かれますか？」と言ってきて、もうその時点で察していたので「じゃあトイレ行ってきます！」とその場の空気を読みました（笑）

そのおかげで着替える時間ができたよ（笑）

たまたまインスタのレポとかでチャペルでプロポーズをしている投稿を少し前に見て「いいなー」って思っていた内容をそのままやってくれました。チャペルプロポーズに憧れていたことは伝えていなかったので、本当にすごいなって思いました。
スタッフの方たちがドアを一人一つずつ掴んで開けてくれて･･･あの演出もすごかったです。
主役になった気分でした。

よかったー喜んでくれて。

あれは一生の思い出です。

自分の思っていることを「察して！」ではなくて、ちゃんと言葉にして出してくれる。とても有難かったです。自分が少し失言してしまった時も怒ったり黙ったりせず「それは良くないよー」と明るく言ってくれるところも良かったです。いろいろと自分のことを理解してくれているので、彼女しかいないなと思い至りました。

彼とは会話がスムーズにいくなと感じていました。それまで会ってきた男性の中には、会話のドッジボールが上手くいかないなという違和感がある方も多くいたので。
彼とはお見合いの時でもお互いに気持ちよく話せるし、違和感を抱かずドッジボールができるなって感じました。
会話だけではなく、言葉を発さずともお互いに察して今必要なのかなと思った物を渡したり、「あれなんだっけ？」って言ったら「〇〇じゃない？」「そうだ！」というようなやり取りもあったり。急に話が脱線しても話の流れが分かるというか、感覚が合っているのかなと感じていました。これが自分の中での一番です。

一点、ドッジボールじゃなくてキャッチボールだと思うよ。

ボールぶつけちゃう（笑）

待って（笑）私自分の相談所のインタビューにドッジボールって書いた気がする（笑）やばい（笑）

「自分は恋愛上手ではない」と思っている人こそ結婚相談所を視野に入れてほしいというのは活動を通して実感しました。
お金がかかるものではありますが、逆にそれが女性に安心感を与えるものだと思っています。今まで仕事と趣味に没頭してきて、学生時代もそれからも恋愛とかお付き合いとかの経験がない、経験値ゼロの自分でもここまで来れたので。心当たりがある方はぜひチャレンジしてほしいなって思います。

プロフィールが第一です。私が活動していた相談所は、プロフィール作成だけで3ヶ月かかりました。何度もリテイクされて･･･。ただ、実際に自分が活動して感じたのは、プロフィールってそれ一つで会うか会わないか決められる大事な要素なんだなということです。
ちょこっとしか書いてない人もいる中で、彼はたくさん書いてあって「ぜひこの人に会いたい！」と思いました。やはり男女関わらずプロフィールもしっかり作らないと戦争に勝てない。
プロフィールも相談所によって全然違うんだなって思いました。相談所選びも大切ですね。

彼はVRChat内に限らず、彼自身の友人に私の紹介を率先して行ってくれる方でした。彼の会社で行っているBBQにも連れて行ってもらったし、VRChat内でも、彼と仲良くしている友人に会わせてもらいました。
VRChatは友達と簡単に交流ができますし、リアルで会うことなく関わりを持つことができるのが魅力の一つなので、VRChat内でも彼経由で友人が増えるのは嬉しかったです。彼の友人もとても良い人たちばかりで、ある意味彼の良さがまた再確認できたというのも、この先一緒にいようと思ったきっかけの一つでした。

一番最初のVRChatデートは、自分が前から好きなVR水族館のワールドに連れていきました。一緒にクラゲを眺めながら雑談したりとか。
あとは元々VRChatでお付き合いしているカップルと、VRChat内でダブルデートしたりとか。

どういうデートをされたんですか？

お相手のお二人は既に結婚されている夫婦の方で、アバター姿でいちゃいちゃしているのを私が写真を撮っていました。逆に私たちが近くに寄って仲良くしていたらお相手の夫婦の方も「可愛い！」って言いながら写真を撮ってくれました。