【第33回】本音を出すと嫌われる?! どこまで言っても大丈夫なのか?
「ラブホの上野さん」原作者による恋愛・婚活テクニックの紹介、男女の違いの解説、会員様からのお悩みに回答させていただきます。漫画やドラマを見たことがない方もお楽しみください。

【ご質問】

婚活中にどれくらい本音を言えば良いか分からなくて困っています。
何度か仮交際までは発展したのですが「本音が言えない→本当の自分は愛してくれない→お断り」というループに陥ってしまって、なかなか本交際まで発展しません。
婚活中はどれくらい本音を言っても良いものなのでしょうか?
また本音を言わずに結婚した場合、後で後悔しそうで怖いです。(30代男性)

まずはじめに

ご質問誠に有難うございます。世界史を学ぶと、世界に存在する様々な問題の根本的な原因にある国の存在があることに気が付くことでしょう。

その国の名はイギリス。英蘭戦争でオランダを打ち破り、産業革命を経て太陽の沈まぬ国となった大英帝国は良くも悪くも世界に多大な影響を与えました。その影響は計り知れず、現在でも大英帝国がやらかした問題は数多く残っております。

そんな大英帝国ことイギリスで御座いますが、彼らの武器は何と言ってもその外交力でしょう。二枚舌、三枚舌外交と呼ばれるようにイギリスという国は平気な顔で嘘を付きまくるのです。特に第一次世界大戦中に行った中東外交は現在の中東問題の根源と言っても過言ではありません。

「最も偉大なイギリス人」

さて、そんな第一次世界大戦の頃、後にイギリス首相となる1人の男が海軍大臣としてその任を務めておりました。

その男の名はウィンストン・チャーチル。「最も偉大なイギリス人」と称されるチャーチルは、最も偉大なイギリス人らしく外交においても非常に優秀な人物だったと言えるでしょう。チャーチルはイギリスの首相として日本とも多くの外交を重ねました。彼はその時のことを『第二次大戦回顧録』という本にまとめているのですが、その中で日本の外交についてこのように書いております。

日本人は無理な要求をしても怒らず、反論もしない。(中略)さらに無理を承知で要求すると、笑みを浮かべていた日本人は全く別人の顔になって「これほどこちらが譲歩しているのにそんなことを言うとは貴方は話の分からない人だ。こうなっては差し違えるしかない」チャーチルは当時の日本の外交をこのように評価しました。実際にどうだったのかは分かりませんが、少なくともこの言葉から学ぶべきことがあるのは間違いありません。

交渉とはお互いがお互いに自分の都合で提案をし、その上で折衷案を探すものなのです。しかしチャーチルには日本人が「何も言わなくとも、相手が自分にとって都合の良い提案をしてくれる」と期待していたように見えたのでしょう。「相手は何も言わなくとも分かってくれるはずだ」という甘い期待は外交の場においては許されません。外交とはお互いの国が”自国の利益のみ”を考えて交渉をする場なのです。

「自分の要求を口にしないことが美徳である」と誤解されている方がいらっしゃいますが、それは言い換えれば「相手の想像力と配慮に期待をする」という甘えた考えでしかありません。「要求を口にしない」という自分の怠慢を相手の想像力に補わせるというのは傲慢以外の何者でもないでしょう。

相手は相手の利益のために行動をしているのです。その利益が”たまたま偶然、奇跡的に”こちらの利益と合致することも御座いますが、基本的には合致しないので相手が自分に配慮してくれることはないと考えた方が良いでしょう。

これは外交の場に限った話では御座いません。親子であろうが夫婦であろうが親友であろうが、全ての人間は全ての人間関係において「自分の利益」のために行動をしているのです。その利益がたまたま偶然相手の利益になることはあっても、根本的に自分の利益しか考えていないのは間違いありません。

奉仕の心に満ち溢れた怪物

例えば同じくチャーチルと同じくイギリス人であるナイチンゲールは奉仕の心に満ち溢れた怪物で御座いました。

クリミア戦争に看護師として戦地に赴いた彼女は、負傷した兵士のために寝ずの看病をしたのはもちろんのこと、薬や医者が足りないと分かるとポケットマネーで用意したのです。もちろんそんなことをしてもナイチンゲールに直接的なメリットは御座いません。

ですので一見するとナイチンゲールは自分の利益ではなく、相手の利益のために行動をしているように見えるでしょう。しかしナイチンゲールもまた「人に奉仕をすることで自分の幸せを得る」という自分の利益のために行動をしているに過ぎないのです。

私は何もナイチンゲールが悪い奴だとか偽善者だと言っているわけでは御座いません。ただナイチンゲールもまた自分が幸せになるために看護をしていると言っているだけなのです。それで結果として多くの人が喜び、感謝をしているのですから何の問題も御座いません。

人間は人が幸せになることで自分の幸せを感じることが出来る生き物で御座います。ですので「相手は自分のために行動してくれている」と錯覚してしまうことがあるのですが、それは錯覚でしかありません。人間は自分が幸せになるための手段として、誰かに尽くす生き物なので御座います。

利益の一致

そのため他人だろうが夫婦だろうが親子だろうが、基本的に自分と相手の利益は一致しないと考えた方が良いでしょう。

利益が一致するのは奇跡的な偶然なのです。そして例え利益が一致したとしても、それはたまたまその出来事に関して利益が一致しただけであり、未来永劫一致するわけでは御座いません。

利益が一致しないのですから考えが一致しないのも当然のことで御座いますし、利益が一致しないのですから相手の利益が何なのか分からないのも当然のことで御座います。自分が何をして欲しいのか相手が分からないのは当然のことであり、相手が何をして欲しいのか自分が分からないのもまた当然のことで御座います。

なぜ本音を”言わないと”嫌われるのか

それでは今回のご質問に戻りましょう。

おそらくご質問者様は「相手に嫌われたくない」という一心で自分の本音を隠していることと思います。

つまり少なくともご質問者様の心の中では「相手のため」と思って本音を隠していることでしょう。確かにそれはある面では正しいことでもあるのですが、同時に2つの大きな問題を抱えていることを忘れてはいけません。

1つ目

1つ目は相手に労力を強いているということ。

自分の本音を隠した時、ご質問者様は間違いなく少なからず「とは言え分かってほしい」と思っていることでしょう。つまり「自分が口にしなくとも、相手の配慮と想像力で自分を理解してほしい」と思っていることに他なりません。

それは「自分で伝える」という労力を支払わずに、自分の要求が通ることを願っているということなのです。

2つ目

しかしこちらの問題はまだマシでしょう。もっと問題なのは2つ目の方。チャーチルの言葉の最後にあった「急に別人の顔になる」という部分で御座います。

例えばご質問者様が辛い物が苦手だったとしましょう。しかしそれを口にしないので相手の男性はご質問者様は辛いものが苦手だと気が付きません。当然ですがその後も辛い食事に誘ってしまうことでしょう。
そんなことが続けばご質問者様は耐えられません。何度目かのデートで怒り出すか、もしくはご質問文にもあったように「こちらからお断り」という行動を取ってしまうことでしょう。もしもご質問者様が最初のデートで「実は辛いものが苦手で」と言っていれば、そんな不幸な未来は回避できたのです。

これは何も婚活に限った話ではないでしょう。早い段階で対処しておけば問題にならなかったことを放置した結果、大問題になるのは当然のことで御座います。そして本音を隠す方はそれをしてしまっていると言わざるを得ません。

もしもその方との関係が一時的なもの。例えば2度と会うことのないような相手であれば、問題を先送りにしても大した問題にはなりません。しかし長期間の関係を望むのであれば、問題の先送りは本来回避できたはずの破滅を招く結果になってしまうのです。

ポイントは死ぬまで言わずにいられるか

とは言うものの、本音を言うべきではない場面というのは確かに存在するのもまた間違いありません。
例えば婚活中であれば「実は本命の男性がいたんですけど、その人に振られたので貴方にしました」なんていうことは、例え本音であっても決して言うべきではないでしょう。

それでは婚活中に「言っても良い本音」と「言ってはいけない本音」はどのように見極めれば良いのでしょうか。これは本音を言わないことがなぜダメなのかを考えればわかりやすいことでしょう。

本音を言わない問題点は「相手が察してくれないことでいつか爆発する」ということで御座います。つまり逆に言えば「相手が一生察してくれなくても爆発しない」のであれば、本音を言わなくても問題はございません。一生爆発しない自信があるのであれば、その本音は一生隠しても問題ないのです。逆に言えば、一生爆発しない自信がない本音は出来る限り早い段階で相手に伝える必要があるでしょう。

誰にだって1つや2つくらい「誰にも言えない望み」のようなものがございますが、その望みを相手が理解してくれなくとも、怒りが爆発することはありません。そういった爆発する予定がない本音はどれだけ隠しても何の問題もないでしょう。

一方でいつか爆発する見込みがある本音。例えば「食べるときにクチャクチャと音を出すのは許せない」とか「絶対に子供が欲しい」というような本音は、放っておくといつか必ず爆発します。
そう言った本音は出来る限り早い段階で伝えておくに越したことは御座いません。

さいごに

逆に言えば、一生爆発しない自信がない本音は出来る限り早い段階で相手に伝える必要があるでしょう。

誰にだって1つや2つくらい「誰にも言えない望み」のようなものがございますが、その望みを相手が理解してくれなくとも、怒りが爆発することはありません。そういった爆発する予定がない本音はどれだけ隠しても何の問題もないでしょう。

一方でいつか爆発する見込みがある本音。例えば「食べるときにクチャクチャと音を出すのは許せない」とか「絶対に子供が欲しい」というような本音は、放っておくといつか必ず爆発します。

そう言った本音は出来る限り早い段階で伝えておくに越したことは御座いません。

とら婚より一言

上野さんとこちらのお悩み記事についてお話させていただいた際、建前の自分は嫌われないと思っていて、建前の自分は嫌われても平気だけど、本音の自分が嫌われると傷付くので、言えないのでは?相談者には「たとえ大親友だったとしても、もしもあなたが本当に素の自分を見せていたら、嫌われているんじゃない?傲慢だね」とあえて言うことが相手にとって一番のアドバイスだとお話しておりました・・・

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