【第65回】オタクノコレクション
「ラブホの上野さん」原作者による恋愛・婚活テクニックの紹介、男女の違いの解説、会員様からのお悩みに回答させていただきます。漫画やドラマを見たことがない方もお楽しみください。

【ご質問】

自分の趣味について、女性が受け入れがたいのは承知の上ですが、結婚後も隠し通せるか、もしくは受け入れてもらうために言うべきか…で悩んでいます。
良い方法や女性には似たような悩みってあるのでしょうか。(30代 男性)
【趣味】
・グッズ集めがやめられません。収入に見合う範囲内での出費ですが、漫画・同人誌はともかく、R18のフィギュアなども集めています
・リョナ、グロ系が好きです

【回答】

ご質問誠に有難う御座います。

幸か不幸か私にはコレクター精神というものが御座いません。そのために人生の喜びの1つを失ってしまっているかもしれませんが、同時に人生の選択肢を制限されずに済んだと言えるでしょう。

お金、時間、労働。コレクションにはあらゆるコストがかかります。そしてそれが人生の選択肢に多大な制限をかけることに疑いの余地は御座いません。

しかし、そういった業を背負ったコレクターの方々のお陰で、現代でも様々な美術品や芸術品に触れ合えることもまた間違いないでしょう。

かのルーブル美術館がフランス王室のコレクションルームであったように、かつて貴族と呼ばれていた人たちが、莫大なコストをかけて美術品を収集して、そしてさらに莫大なコストをかけて管理していてくれたからこそ、何百何千年前の作品に私達は触れ合うことが出来るので御座います。

そう考えると私のようなコレクション精神を持たない人間は、コレクターの方々にフリーライドしているとすら言えるかもしれません。コレクターは文化財の保存という国家事業を、自費で自発的に担っているので御座います。その業績は非難されるどころかむしろ本来讃えられるべきもので御座いましょう。

ごみ焼却炉のジレンマ

もしも街にごみ焼却炉が無かったら。そして日々の家庭ごみが一向に回収されず、道路にゴミがうず高く積まれていったら。きっと全ての市民は1日も早いごみ焼却炉の建設を望むことでしょう。

しかし自分の家の隣に焼却炉を作ることになれば、それは誰もが反対するのもまた事実で御座います。

「この街に焼却炉は必要だ。だが俺の家の隣には作るな」

人間という生き物はどうにもこういう生き物で御座います。

あずまきよひこ 著 『よつばと!』/(KADOKAWA)

コレクターもまたそうでしょう。
文化財を買い集め、適切な状態で保管する事業は誰も価値のあることだと認めることで御座います。

しかし私のようなコレクション精神を持たない人間が必ずこう言うのも間違いありません。

「素晴らしい事業だ。だけど他所でやってくれ」

理解と受容の超えられない壁

イスラム教は1日に5回の礼拝を行います。イスラム教はそういう宗教であり、それを理解することはさして難しいことではないでしょう。

しかし私のような怠惰な人間からすると大変困ったことに、1回目の礼拝は夜明け前の時間なので御座います。無論、彼らの信仰に曜日など関係御座いません。日曜日の朝であっても、彼らは早起きして礼拝を欠かさないので御座います。

理解と受容には超えられらない壁があるのです。理解は脳内で完結する話であり、認知ストレス以外のコストはほぼ0でしょう。

しかし受容となると話が全く異なります。
仮に私の家にイスラム教の方が住み始めたら、私は毎朝夜明け前に起きる人間と生活をしなければならず、安眠を妨害されることになるでしょう。これは明確なコストであり、実害があると言わざるを得ません。

コレクション、ご質問者様の場合それに「リョナ・グロ・R18」が加わりますが、これも同じで御座います。それ自体に理解を示すことは容易いことであり、おそらくそれなりの方が理解をしてくださることでしょう。しかし共同生活をする場合は、その上の「受容」をしなければなりません。

ここに巨大な壁が存在することを忘れてはいけません。

諫山創 著 『進撃の巨人』/(講談社)

「リョナですか、いいんじゃないですか」と言うのはほぼノーコストなので割りと誰でも出来るでしょうが、コストを伴わない発言など何の信用も価値もないのです。
それこそ「今日はいい天気ですね」と同じくらい無価値な言葉と考えた方が良いでしょう。

コレクター属性を探せ

「リョナ・グロ・R18・コレクター」という属性を持っている女性に出会えれば良いのですが、それは奇跡的な幸運と呼ぶ以外になく、質問への回答としては不適切でしょう。借金で苦しんでいる方に対して「宝くじが当たれば解決」と言っているようなもので御座います。

しかし4つ全ては無理でも、1つくらいならば奇跡を起こさずとも出会える可能性はあるでしょう。それではこの4つの中で、最も重要なのはどの属性でしょうか。

ズバリ「コレクター」で御座います。

その理由はこの4つの属性の中で、圧倒的に物理的な実害を与える可能性が高いからで御座います。

たしかに家にリョナグッズがあれば、それに興味のない人は不快な思いをすることでしょう。しかしコレクションは不快な思いに加えて、お金と部屋の専有という実害まで与えてくるので御座います。

AIC Build『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』

そのためコレクションによる実害に比べれば、リョナなど大した問題では御座いません。収集癖がある女性であれば、リョナに文句を言われることはあっても、コレクションすること自体に文句を言われることは(あまり)ないでしょう。そしてコレクションに対する不満に比べれば、リョナに対する不満など可愛いもので御座います。

凡人は金でしか判断しない

どうやらピカソという画家は素晴らしい作品を残しているらしいそうです。

『窓辺に座る女』は40億円で売れたらしいですし、『アルジェの女たち』という作品に至っては215億円で取引されたそうです。なるほどなるほど…ピカソという画家はどうやら凄い画家のようで御座います。

これが凡人たる私の限界で御座います。
ピカソの作品には様々な技巧が凝らされているのでしょうが、正直に言って全くもって分かりません。大変失礼ながら学のない私にとっては、こんなよく分からない絵を家に飾れと言われたら、むしろお金を貰いたいくらいで御座います。

しかし、そんな私でもピカソが凄いことは知っています。そしてその理由はたった1つしか御座いません。

彼の絵が高いからで御座います。1億だか100億だか知りませんが、とにかくあの絵に大金を積む方がいらっしゃるらしい。それこそが私が彼を凄いと思う唯一の理由で御座います。

芸術を理解し、コレクション精神を持ち合わせた崇高な方々と異なり、私のような凡人は芸術を金でしか判断出来ません。ピカソとセザンヌならどっちのほうが凄いのかと聞かれれば、セザンヌ(『カード遊びをする人々』約300億円)の方が高いからセザンヌの方が凄いと答える程度には私の感性は磨かれていないのです。

つまり私のような凡庸な感性の持ち主を黙らせるには「お金」で語るしかないでしょう。

その作品の成り立ちや芸術的価値など、凡庸なる私はまるで分かりません。どれほど文化的価値があろうとも、要するにそれがいくらなのかということにしか興味がないのでございます。

金城宗幸、荒木光 著 『僕たちがやりました』/(講談社)

逆に言えば、私のような人間は金銭価値さえ保証されれば一瞬で理解し、黙り、納得し、そして受け入れることでしょう。

そのためもしも非コレクターと結婚し、どうしても説得が必要になったのであれば、文化的価値ではなく金銭的価値を語るべきなのです。
しかしただ闇雲に語ってしまうと芸術を理解しない凡庸な我々は「じゃあ売れよ」とか言い出すので、そのコレクションがいかに「投資として」有用であるかを語るべきでしょう。

もちろん、それでも説得できるとは限りませんが、少なくとも文化的背景を語るよりはだいぶ実践的で御座います。

見せるな

「犯罪機会論」というものが御座います。

要するに「犯罪しやすい状況を作るな」というものであり、犯罪抑制のための1つの重要な考えと言えるでしょう。心の清い善人であっても、目の前に無防備に金が落ちていれば思わずネコババしそうになってしまうことがあるのだから、そもそもお金を無防備にしないようにしようというような話で御座います。

コレクションにも同じことが言えるでしょう。相手がコレクション精神を持ち合わせていない限り、どう取り繕ってもコレクションは相手の心を害してしまいます。となれば不意にそれが捨てやすいところに落ちていれば、思わず捨ててしまいたくなる衝動に駆られるのも仕方のないことでしょう。

もちろん私は「人の物を勝手に捨てて良い」と言っているわけでは御座いません。そうではなく関係を長く良好に継続したいのであれば、そもそも互いに余計な邪心を抱かせかねない行為を慎むべきであるとお伝えしているので御座います。

つまりご質問者様の大切なコレクションは可能な限り、他の人から見えない場所に置くべきでしょう。無論、それは鑑賞という趣味を阻害することになるので、トレードオフにはなりますが、間違っても相手に見せつけるような真似はするべきでは御座いません。

必要なのは理解でも受容でもなく無関心。争いの火種を隠すことこそが、長期的な関係のコツでしょう。

困らせるな

「犯罪機会論」と並ぶ論として「犯罪原因論」というものがあり、これは要するに犯罪の原因を取り除こうという考えで御座います。

例えば日本における犯罪の7割以上は「経済的困窮」が原因で発生しております。つまりもしも全国民が経済的に裕福であれば、犯罪の7割を撲滅できるということになるでしょう。
もちろん現実的にはさすがにここまで単純な話では御座いませんが、景気が悪いと犯罪が増えるのは統計的事実が御座います。

コレクションにまつわる夫婦喧嘩という事件もこの犯罪原因論で考えるべきでしょう。
そしてそれは「家計に対する負担」と「住居の専有」の2つにほぼ集約されます。
10㎡の1kに2人で住んでいればポスターの1枚ですら喧嘩の種になるでしょう。一方で年収10億くらいあれば、毎月100万円くらい趣味に使ったって誰も文句は言いません。

藤本タツキ 著 『チェンソーマン』/(集英社)

そのためコレクションをしたいのであれば、それなりに広い家と、余裕のある経済力はどうしても必須になるのは否めません。
もしも経済的に余裕がなく、狭い家に住んでいるのであれば、仮にご質問者様が毎月100円しか趣味に使っていなかったとしても、家の専有という害を為しますし、仮にご質問者様の収集物が1枚の切手であったとしても、家計の圧迫という害をなしていると向こうは感じてしまうのです。

文化は引き継がれる

芸術品をコレクションし、それを後世へと受け継ぐことは極めて重要なことでしょう。

しかしルーブルをはじめ多くの美術館が国営であるように、それは国や貴族のような存在が行う一大プロジェクトに他なりません。
規模こそ違えど、もしもそれを個人で行おうとするのであれば、何かしらの代償が必要になることでしょう。

もしもご質問者様がそのプロジェクトを共に為そうとしてくれる伴侶と出会えたのであれば、それはこの上なく幸福なことで御座います。しかし現実的に国家レベルのプロジェクトを個人で行おうとする方は決して多くありません。

非常に残念なことでは御座いますが、もしもご質問者様が人並みの経済力しか持ち合わせておらず、人並みの幸福を望むのであれば、ご質問者様の偉大なプロジェクトは人生のどこかで頓挫することになる可能性が高いでしょう。

しかし、それは今日ではないですし、きっと明日でも御座いません。ですので、どうかその日まで世界に誇るべき文化財を大切に保存して下さいませ。

幾百年の未来に文化財を残すのは、個人では御座いません。個人から個人へと引き継がれるその思いが結晶となることで、文化は未来へと繋がるのでしょう。今は国営となったルーブルでさえ、元をただせば文化を愛した1人の王によって始まったことなので御座います。

たしかにご質問者様はその幾千年の営みの、ほんの一部の年月を担当するに過ぎません。しかし、そのようなわずかな期間の積み重ねこそが、文化と芸術を後世へと繋いでいくのです。

手塚治虫 著 『火の鳥』/(学童社)

どうか誇って下さいませ。たとえいつかプロジェクトを中断せざるを得なくとも、ご質問者様は確かに文化を後世へと繋いだので御座います。

ご質問者様の偉大なるプロジェクトが1日でも長く続くことを陰ながら祈らせて頂きます。

だからこそ、その素晴らしいプロジェクトは……

私の家以外でやってください。

久米田康治、ヤス 著 『じょしらく』/(講談社)

とら婚より一言

いかがでしたか?

趣味に限らずありのままの自分を受け入れて欲しい等の要望を頂く事がございますが、まずはお相手の希望を叶える事でご自身の希望も叶いやすくなります。
【等価交換】の法則を思い出してみると許容範囲が広がる方もいますよ。

荒川弘 著 『鋼の錬金術師』/(スクウェア・エニックス)

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