「優しくていい人なのに、心が動かない……」
婚活をしていると、一度はぶつかるこの大きな壁….
自分を責めてしまったり、結婚自体を諦めたくなったりすることもありますよね。
(個人的には『いい人』という言葉を聞くと、浜崎あゆみさんの歌詞にある『いい人って言われたって “どうでもいい人”みたい』という一節を思い出します。)
今回のコラムでは、結婚相談所の現場でも日々寄せられる「いい人なのに好きになれない」現象の心理と、その苦しさから抜け出すための具体的な解決策を解説します!
目次
1. 【原因①】「生理的な直感」と脳が求める刺激
「いい人なのに好きになれない」最大の原因の1つは、どれほど理屈を並べても太刀打ちできない「本能的な感覚」の不一致です。
■ 生理的な拒否反応は脳の防衛サイン
「いい人なんだけど、なんとなく手が触れるのは想像するだけで抵抗がある」
「食事の音や、ふとした瞬間の匂いが、なぜか鼻につく」。
これらは決してあなたのわがままではありません。
生理的な拒否反応は、理性や努力で乗り越えられるものではありません。
この感覚を無視して「条件がいいから」と無理に結婚しても、後々の生活で触れ合いが苦痛になり、夫婦仲が冷え切ってしまうリスクがあります。
■脳が「不安定な刺激(不安)」を恋だと誤認している
これまでに「振り回される恋」や「どこか危なっかしくて目が離せない異性」に惹かれてきた経験がある人は、脳の仕組みに注意が必要です。
脳が「相手が手に入るかどうかわからない不安」や「執着による緊張感」を「情熱的なときめき」だと誤認して学習してしまっている場合、誠実で安定感のある「いい人」を「つまらない」「刺激がない」と感じてしまいます。
ドキドキがないのは、相手があなたに「100%の安心感」を与えている証拠。
その安心感を「価値がない」と脳が誤判定していないか、振り返ってみてください。

2. 【原因②】「結婚への恐怖心」というブレーキ
2つ目の原因は、相手の資質に問題があるのではなく、あなた自身の心の中に潜む「未知の変化への抵抗」です。
■幸せに近づくと逃げたくなる回避心理
誰かと深くつながることは「本当の自分をさらけ出し、拒絶されるリスクを負うこと」でもあります。
過去に大きな失恋で傷ついたり、両親の不仲を見て育ったりした経験がある人は、無意識に「いい人」であればあるほど、深い関係になる前に遠ざけようとします。
なぜなら、いい人と向き合うことは、結婚という現実=人生の激変に直結するからです。「好きになれない」という感情を、今の平穏な独身生活を守るためのブレーキとして無意識に利用しているケースは非常に多いのです。
■「もっといい人がいるかも」という沼
婚活に多大な時間とお金を投資してきた人ほど、「ここまでコストをかけたのだから、納得のいく最高の結果を手にしなければ損だ」という心理が働きます。
目の前の「80点のいい人」に対して、残りの20点の欠点ばかりを探し出し、「もっと理想に近い人がどこかにいるはずだ」とジャッジを下し続けてしまいます。
この心理状態では、心の余裕がなくなり、常に「欠点探し」をするような目でお相手を見てしまいます。
これでは、どんなに素晴らしい人が現れても「好き」のスイッチが入る余地がありません。
■自己肯定感の低さが招く拒絶
「私のような欠点だらけの人間が、こんな立派な人に愛されるはずがない」という心理が根底にあると、向けられる純粋な好意を「裏があるのではないか」「自分のような人間を好きになるなんて、この人はセンスが悪いのではないか」と歪んで受け取ってしまうことがあります。
自分を低く見積もっていると、健全な愛情を注がれることが恐怖や不快感に変わり、反射的に相手を「気持ち悪い」と感じてしまいます。
これを克服するには、まず自分が「愛される価値がある」と認める自己受容のプロセスが必要になります。
3. 【原因③】「婚活疲れ」による感情の麻痺
3つ目の原因は、長引く活動によるメンタル面の疲弊や、過去の記憶を絶対的な基準にしてしまう比較の心理です。
■心が省エネモードになる「感情の不感症」
何人もの異性と会い、品定めをし、断り、断られ……というプロセスを繰り返していると、心は無意識に「これ以上傷つきたくない」とバリアを張ります。これが「感情の不感症」を招き、どんなに素敵な人に会っても心が凪のように動かない状態を作り出します。
いい人に出会っているはずなのに、心が「省エネモード」でロックされているため、本来感じるはずの好意が脳まで届いていないのです。この砂漠状態では、どれほど条件の良い人が現れても、心が潤うことはありません。
この場合は一度活動を休む勇気も必要です。
■過去の恋愛を「最高瞬間風速」のまま美化している
原因①で触れた脳の刺激とは別に、心の中に「忘れられない過去の人」を神格化して保管していませんか?
「あの時あんなに夢中になった人がいたのに、今回はなぜ……」と、過去の感覚を現在の婚活の場にそのまま持ち込んでしまうと、どんな「いい人」も色褪せて見えてしまいます。
これは、過去の記憶が現在の幸せを阻害している「思い出の呪縛」です。
今の年齢、今の環境で育むべきは、過去のような一過性の情熱ではなく、静かに積み上がる信頼であることを自覚する必要があります。
■相手が「いい人」すぎるからこそ生まれる罪悪感
お相手の条件が良く、自分のことを大切に扱ってくれるほど、好きになれない自分を「わがまま」「恩知らず」と激しく否定してしまいます。
この自己否定が強いストレスとなり、結果的にお相手に対して「自分を苦しめるプレッシャーの源」というネガティブな感情を抱いてしまいます。「こんなに良くしてもらっているのに、お返しできない自分」を責めれば責めるほど、デートに行くのが億劫になり、相手の顔を見るのも辛くなってしまう。この罪悪感こそが、好意をさらに遠ざけてしまうのです。

4. 【対策】「いい人なのに好きになれない」時の具体的な行動と心の整え方
では、この苦しいループから抜け出し、幸せを掴むためにはどうすればよいのでしょうか。今日から実践できる具体的なアクションプランを提案します。
■脳の焦点を変える「加点方式」観察トレーニング
私たちの脳は生存本能として、相手の欠点を察知するようにできています。
婚活ではこれを意識的に「加点方式」に上書きする必要があります。
「服のセンスがちょっと……」と減点するのではなく、「私のために一生懸命にお店を選んで予約してくれた +10点」「私の好みを覚えていてくれた +10点」と、ポジティブな行動をカウントしましょう。
スマホのメモ帳に「今日のいいところ」を1つ書くだけで、脳のフィルターが「相手の良さ」を探すモードに切り替わり、徐々に安心感や好意が育ちやすくなります。
■結論を急がない「とりあえず3回デート」のルール化
「1回会ってビビッときていないから終了」という極端な判断は、婚活では命取りです。初対面ではお互いに防衛本能が働き、緊張でガチガチになっているため、本来の魅力が発揮できていないのが普通です。
まずは「好きになれるかどうかを一旦棚上げして、3回まではその場を楽しむ」と自分に許可を出してください。
2回目、3回目と会ううちに緊張が解け、ふとした瞬間の優しさが見えてきた時に初めて、「あ、この人といる時の自分は嫌いじゃないな」と気づくこともあるのです。
ただし、決して無理はしないこと!
■「恋愛感情」ではなく「共同生活の適性」を審査する
「この人を愛せるか?」と自問自答すると、重圧で心が動かなくなります。
視点を変えて、
「この人と一緒に会社を経営できるか?」
「無人島で二人きりになったとき、協力して生き延びられるか?」
というパートナーとしての視点を持ってみてください。
ドキドキしなくても、トラブルが起きた時に話し合いが成立しそうか、生活のペースが合いそうか。そんな「実務的な相性」を確認するうちに、深い信頼が芽生えるケースは、成婚者の中では珍しくありません。
5. 婚活を成功させるために知っておきたい「気持ちのグラデーション」
■信頼という土台の上にしか、持続する愛情は建たない
燃え上がるような恋は、短期間で落ち着きます。一方で、深い自己開示と共感に基づいた「友愛」は、時間が経つほどに強固になります。
いい人に対して感情が動かないのは、まだあなたが「本当の自分」を隠して接しているからかもしれません。自分の弱い部分や、情けない失敗談、将来への不安などを少しずつ打ち明けてみてください。その弱さを受け止めてもらった時の「圧倒的な安心感」こそが、結婚における「好き」の正体なのです。
■自分にとっての「幸せの形」を再定義する
あなたが心から求めているのは、一緒に居て「ずっとドキドキするようなパートナー」ですか?
それとも、とりとめのない会話で笑い合える「安心感のあるパートナー」ですか?
もし後者であれば、今感じている「いい人だけど物足りない」という感覚こそが、実は結婚相手として最も相応しいサインなのかもしれません。「世間一般の理想」ではなく、あなただけの「心地よさ」の物差しを再構築しましょう。
6. まとめ:焦らず自分のペースで「いい人」と向き合おう
「いい人なのに好きになれない」という悩みは、あなたが自分の人生に対して、そしてお相手に対して、真剣に誠実向き合おうとしているからこそ生まれるものです。決してあなたが冷たい人間なわけでも、結婚に向いていないわけでもありません。
最後にお伝えしたいのは、以下の3つのポイントです。
- 生理的な嫌悪感がある場合は、本能の声に従って潔く次へ進むこと。
- 「ドキドキ(刺激)」を唯一の正解にせず、「ホッとする(安心感)」の価値を信じてみること。
- 「好きになれない自分」を責めるのをやめ、心の準備が整うまで待つ余裕を持つこと。
もし、どうしても自分の気持ちが整理できず、今の交際を続けるべきか迷う場合は、ぜひ私たちアドバイザーを頼ってください。
一人で抱え込まず、あなたらしく納得できる形を一緒に見つけていきましょう!



