【ご質問】
結婚相談所で出会った男性から、先日プロポーズを受けました。趣味も合い、気遣い上手で一緒にいて穏やかな気持ちになれる方で私自身『こんな素敵な方と生活できたら幸せだなあ…。』と考えながら交際をしていたので、結婚を申し込まれた時はとても嬉しかったです!ただ、彼を両親に紹介したところ大反対を受けました。
理由は片親、学歴、低身長。勤務先や収入に対する不安なら転職で、体重ならダイエットで挽回できるかもしれませんが、両親の指摘は彼の今からの努力ではどうにもならないことばかりで途方に暮れています。
私は彼と結婚したいです。でも両親のことも大好きなので縁を切るとか、駆け落ちをするとかはしたくないです。どうすれば両親にも結婚を認めて貰えるでしょうか。
(30代女性)
業界の革命児:小林一三
ご質問誠に有難う御座います。
小林一三という人物をご存知でしょうか?小林一三は阪急グループの創業者であり、阪急電鉄を筆頭に宝塚や東宝など現代も続く数々の企業を作り上げた人物で御座います。
彼を語らずして日本の鉄道史を語ることは出来ません。彼の功績は阪急グループにとどまらず東急鉄道や西武鉄道など日本の私鉄の多くに多大なる影響を与えました。彼が優れていたのは何と言ってもその革新性でしょう。小林一三よりも鉄道に精通していた人物はそれこそいくらでも存在したでしょうが、彼ほど鉄道を商いとして成功させた人物は他におりません。
小林一三より前の鉄道は「人がいるところに線路を敷く」という考えだったのですが、小林一三は「線路を敷いたところに人を集める」という逆転の発想で成功した人物なのです。今日の日本では駅を中心に街が発展しておりますが、それは彼が作り上げたシステムであると言えるでしょう。
デパートを駅に直結させ、沿線に宝塚や東宝(東宝は東京宝塚の略)のような娯楽施設を作り、そして沿線の家を売る。日本の私鉄の経営モデルの多くは小林一三が作り上げたものなのです。
中吊り広告のアイディア
他にも有名なものとしては電車内の中吊り広告も彼が作り出しました。ところでこの中吊り広告に関して、少し面白いエピソードが御座いますので、ご紹介させて頂きましょう。
中吊り広告というアイディアを思いついた小林一三は『電車内に広告を作れば、乗客の暇つぶしにもなるし広告効果もあるだろう。うちとしても広告主からお金が貰える素晴らしい仕組みだ。』と、自分の部下に話しました。そのアイディアを聞いた部下は早速そのアイディアを実行するために行動を開始しました。
『社長、それでは私が担当省庁に許可を取りに行ってきますね!』そう言って許可を取ろうとした部下を制して、小林一三はこう言ったと言われています。
『禁止されていないものでもわざわざ許可を取りに行ったら禁止されるだろう。』
説得をする方法は無い
さて、それではご質問に戻りましょう。
ご質問者様は30代ということで御座いますので、ご両親様は恐らく60前後でしょう。残念ながら60歳にもなった人間の考えを変えることは容易なことでは御座いません。ですので大変申し訳ございませんが、ご両親を説得して結婚するという方法は諦めた方が良いでしょう。
「説得をする方法を教えてください」という質問に「結婚前に説得は無理」と回答するのは失礼かとは思うのですが、無理なものは無理なので仕方がありません。しかしだからと言って親と縁を切るとか、駆け落ちをすると言ったような過激な方法を取るべきでもないでしょう。それでは一体どうすれば良いのでしょうか?
省庁の判断
ここで先ほどの小林一三の話を思い出してくださいませ。あの話で私がお伝えしたかったのは「許可を取るな」という意味ではございません。もちろん反対される可能性が高いのであれば許可を取らずに強引に話を進めてしまうのも良い手段だとは思いますが、今回のご質問者様の場合、すでにご両親様に許可を求めてしまっているので、この話をしても意味がないでしょう。
今回私がお伝えしたいのは「許可を取るな」ということではなく「どうして省庁は文句を言わなかったのか」ということでございます。時代的な背景を考えると小林一三が省庁に許可を求めれば、おそらく省庁は良い顔をしなかったことでしょう。何かしらの理由をつけて「不許可」という結論を突きつけられた可能性が極めて高いのです。
それでは仮に許可を求めたら、省庁が不許可を出すと仮定して考えてみましょう。小林一三は省庁に許可を求めずに勝手に中吊り広告を始めてしまったわけですが、中吊り広告が始まった後からでも不許可を出すことはできるのです。しかし中吊り広告が現代にも続く広告へと成長したことからも分かるように、省庁は阪急の中吊り広告を規制することはありませんでした。これは一体なぜか。
やっちまえば文句は言われない
そもそも不許可を出す人間の多くは「もしかしたら悪い影響が出るかもしれない」という不安から不許可を出しているのです。ですので勝手に推し進めて上手くいってしまえば、その不安は払拭され、不許可を出すことは御座いません。
少々分かりにくい言い回しになりましたが、要するにやる前に反対を叫んでいた人間も、実際にやってしまって問題が起きなければ反対をし続けることはないのです。人は決定する前には文句をギャーギャー言いますが、決定して実行されてしまえばそうそう文句を言いません。
少なくとも決定前に説得をするよりは、はるかに簡単なことでしょう。ですのでご両親様が反対していることを承知の上で、勝手に結婚してしまえば良いのです。一度結婚して、結婚生活が上手くいっていれば、そうそう反対意見も言えなくなることでしょう。
両親との仲が大切ならば、強引に結婚しろ
私がなぜここまで強引に話を進めることを提案しているのかと言うと、それはご質問者様がご両親様との関係を危惧されているからで御座います。これまでご両親様との関係は良好だったことでしょう。ご質問者様がご両親様のことを大切に思う気持ちも分かりますし、私としてもその気持ちや関係性を大切にして頂きたいのです。
だからこそ私はこうして強引な方法を進めております。もしも今回の結婚がご両親様のせいで破談になってしまったら、ご質問者様はご両親様を好きでいられますか?今と同じような仲の良い関係を、継続することができますか?ご質問者様は親から嫌われることを気にされているようですが、私はそれ以上にご質問者様が親を嫌いになってしまうことを危惧しております。
親のせいで結婚が破談になった時、それでも親を好きでいられると私にはとても思えません。ご質問者様の方から関係が壊れることだって考えなくてはならないのです。
振り上げた拳を落とす場所
もちろん今すぐに強引に結婚しろとは言いません。もう何度かご両親を説得しても良いでしょう。それで上手くいくのであれば、これ以上のことはありません。しかし、私は老人を説得する術を持ち合わせていないのです。ある程度の年齢に達してしまった人間の意見を私は変えることができません。
そしてご質問者様に絶対に忘れて頂きたくないことがございます。時間には限りがある。お相手の男性が何歳なのかは分かりませんが、おそらくご質問者様と近いご年齢でしょう。すると彼が「このまま結婚できないなら、他の人を探したほうが良いのではないか」と考えるのは時間の問題です。
時間は有限では御座いません。説得に何年もかけるような余裕はないのです。それならば先に結婚して、その後にゆっくりと説得をした方が良いでしょう。先に既成事実を作ってしまえば、人間はそうそう反対いたしません。もちろんご両親様にもプライドがあるので落とし所を作るのは重要でしょうが、逆に言えば落とし所さえ作ってあげれば問題ないでしょう。
どうかどうか彼のこともご両親様のことも失わない選択をとってくださいませ。説得に時間をかけて破談になってしまったら、ご質問者様は彼もご両親様も失ってしまうのです。
落としどころを作るための一つの方法
どうもー、SNSとコラムの中の人でーす(‘ω’)ノ
久々に、ちょっとだけ情報を加えさせていただきますね。
上野さんは「落としどころさえ作れば問題ないでしょう」と言われました。
ではその落としどころをどう作るのか…私は以下の方法をよく使っております。
自分の意思と他者の考えや状況が原因で陥った現状を整理し、それに対して理想を明確にし、そのギャップを埋めるためのフレームワークです。本件以外でもいろんなシーンで使えるので、是非ご参考に。↓↓
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