【第17回】「苦しい事はなるべくなら自分以外の人に背負わせたくない」+「心配もかけたくない」=「だから言わない」
「ラブホの上野さん」原作者による恋愛・婚活テクニックの紹介、男女の違いの解説、会員様からのお悩みに回答させていただきます。漫画やドラマを見たことがない方もお楽しみください。

【ご質問】

男性の心を開くにはどうしたら良いでしょうか?
私は現在婚活中の身です。仮交際中の方(婚活用語で友達以上恋人未満のこと)で優しく穏やかな男性がおり、気になってはいるのですが…。ご自身のことを殆ど教えてくれません。
好きな食べ物を聞いても『なんでも好きだよ。』今度はどこに行きたいか聞いても『きみの好きなところで良いよ。』と答えられてしまいます。お仕事が忙しいかを聞いたときなんて『最近はワークライフバランスが大切って言うもんね。』等とはぐらかされたこともありました。
『私に興味が無いのかな…。』と半ばあきらめ気味ではあるのですがデートは毎週お相手から誘ってきます。今度でデートは5回目です。彼がもう少し心を開いてくれるのであれば私も先に進む(真剣交際に進む)決心がつくのですが…。どうしたらもっとご自身のお話をしてもらえるようになるでしょうか?(20代女性)

 

ドロップスのハッカ飴

ご質問誠に有難うございます。

私が子供の頃、我が家にはやたらと頻繁にサクマ式ドロップスがありました。母が買ってきたのか、それとも別の理由で我が家に届いていたのかは分かりませんが、キッチンのお菓子入れを開けるとやたらとサクマ式ドロップスがあったのです。そのため当時はしょっちゅうサクマ式ドロップスを舐めていたのですが、サクマ式ドロップスには1つだけ大きな欠点が御座いました。

その欠点とは「ハッカ」。ミント系の味がするハッカは、サクマ式ドロップスの飴の中で唯一「甘くない味」であり、まだ味覚が幼かった私はこのハッカが大嫌いだったのです。そのためハッカの飴だけを避けて、オレンジやリンゴのような甘い味の飴ばかりを舐めておりました。さて、私がハッカを避けていたため、最後にはハッカしか残っていないサクマ式ドロップスが完成してしまうわけなのですが、このハッカしか残っていないサクマ式ドロップスを食べていたのが私の母。

母は「私はハッカが好きだから」と言って、ハッカしかないサクマ式ドロップスを食べてくれていたのです。当時の私はそのことに何の違和感も感じておらず、「大人はハッカみたいな変な味が好きなんだ」くらいに思っていたのですが、今にして思えば母が言った言葉が嘘であることが分かります。

親の心子知らず

私の母はどちらかと言えば甘党。ハッカが食べられないということは無いにしても、数ある味の中でハッカが一番好きということはなかったでしょう。そうにも関わらず、母が「私はハッカが好き」と言っていたのは私がハッカの飴だけを残すことを知っていたからに違いありません。

私の母が「ハッカが好き」と言っていたのは、本当にハッカが好きだったからではなく、オレンジやリンゴのような甘い飴を私に食べて欲しかったからでしょう。しかし「私は本当は甘い飴が好きだけど、甘いのはあなたに食べて欲しいから、私はハッカで良いよ」と本当のことを言ってしまったら、私は甘い飴を舐める時に罪悪感を感じてしまいます。

ですので母は「ハッカが好き」と嘘をつき、私が無邪気に甘い飴を食べられるようにしたのでしょう。

なぜ自分の好みを隠すのか

今回の男性も私の母と同じような気持ちで「何でも好きだよ」「君の好きなところで良いよ」と言っているのではないでしょうか?

本当は彼にも食べたいものや行きたいところがあるかもしれませんが、自分の願いを叶えることよりも、ご質問者様の食べたいものや行きたいところを優先したいから、彼は「何でも好きだよ」「君の好きなところで良いよ」と言っているのです。

確かに、彼の言葉は自分の好みを隠した嘘かも知れません。ですがそれは「彼がご質問者様に心を開いていない」ということを示すものなのでしょうか?「ハッカ味が好き」と嘘をついた私の母が、私に心を開いていないと思う方はいないことでしょう。それならば、私の母と同じような心理で嘘をついた彼もまた、ご質問者様に対して心を開いていないとは言えません。

心を開くスキルの不足

「彼は私に関心を持っていないのではないか?」というご質問者様のお悩みもこれと同じです。ご質問者様のために、自分の望みを抑えた彼がご質問者様に関心を持っていないとは到底思えません。

関心がないというのは「お前の好みなんて知るか。俺はステーキが食いたいから、今日はステーキを食うぞ!」というように、自分の欲望のみを追求する男性のことを言うのです。もちろん今回の彼に関して言えば、言い方が少々不器用だとは思いますが、それはスキルがないというだけでご質問者様に対しての関心や好意がないというわけでは御座いません。

彼は自分のことを語っている

彼が自分のことを語ってくれないことにご質問者様が不安を感じるのはとても最もなことで御座います。「彼は私のことを信用していないから、私に本心を語ってくれないのではないか」。その不安は正しいものでしょう。人間は信用していない人に対して自分の本心を見せたりはしないのです。

しかし、今回の彼は自分の本心を見せていないと言えるでしょうか?確かに彼は自分の本心をそのまま口にはしていません。ですが彼の本心である「ご質問者様の願いを優先したい」という気持ちは、行動や発言に間違いなく現れていることでしょう。女性からすると理解しがたいことかも知れませんが、男性は自分の本心を口にするのが苦手なのです。ですので男性は自分の本心を言葉ではなく行動で示そうとするのです。

その点、彼は間違いなく自分の本心を行動で示しました。不器用で伝わりにくい方法では御座いますが、彼は確かに自分の本心を示したのです。ですのでどうかご安心くださいませ。彼はご質問者様に本心を伝えておりますし、関心も持っております。

あなたにしか出来ないこと

最後に1つ、ご質問者様にお伝えしたいことがございます。ご質問者様が「彼に本心を言って欲しい」と思っているのは一体なぜでしょうか?

もちろん本心が聞けないと不安になる、本心を言ってくれないと信用していると思えない、というような理由もあることと思いますが、「最近、仕事は忙しいの?」なんてことを聞きたがるご質問者様なのですから、「相手の本心を知り、相手の役に立ちたい」という気持ちが最も強いことでしょう。それでは彼の役に立ちたいと思うご質問者様が今最もすべき行動は一体なんでしょうか?

彼の望みは「ご質問者様の願いを叶えたい」というものなのです。その願いを叶え、彼の役に立つことが出来るのは、ご質問者様しかいないのだと私は思います。

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